理科教育の難しさ
電灯からテレビ、洗濯機まで毎日の生活に欠かせない電気の性質、働きの学習は、理科の重要な柱になっている。しかし、教師に聞くと、決まって「電流や電圧の原理を理解させるのは(①)。」という答えが返ってくる。
広島大などの研究者が2年前、八つの中学校の一~三年生約八百人を対象に、テスト形式で実態を調べた。テスト問題の正答率は、三年生でも77%だった。誤答した生徒の多くは、乾電池が同じ一個だから明るさも同じ、と答えていた。調査メンバーの一人、小倉康さんは「授業で教わりながら、相当数の生徒は、電流、電圧の違いなどの基本部分が(②)。」と話す。電気がなかなか理解されない理由ははっきりしている。直接さわったり目で見たりすることが難しい。そのうえ、学校で正式に教わる前から、子供は自分なりの、素朴なイメージを持っている。
近年、小学生らを対象に、この素朴なイメージをさぐる③研究が盛んに行われている。子どもたちの誤解部分に光を当て、そこから適切な指導法を引き出すねらいだ。
乾電池から電球への電流回路(+極から出て-極に流れこむ)については、「+-両極から出て、豆電球のとこるで衝突して光る」「電流は一方向に流れるが、電球で消費され、減ってしまう」などととらえられている。見えない電流を正しくイメージさせようと、教室では水の流れや、血の流れ、電車の運行にたとえるなどして教える方法も取られている。
生徒たちは、受験知識として法則を頭にたたきこんでいる。法則を広用する難しい問題もわけなく解く。しかし、真に理解しているとなると話は別だ。理系の大学生でもこれらの法則の意味をきちんと説明できる学生は少ないだろう。
「(④)」と「わかる」との大きな落差。理科教育の難しさはここにあるようだ。
新出单词
理科 (りか) 理科
柱 (はしら) 支柱,柱子
決まって (きまって) 一定,必定
電流 (でんりゅう) 电流
電圧 (でんあつ) 电压
実態 (じったい) 实际情况,实际的状况
正答 (せいとう) 正确答案
誤答 (ごとう) 错误答案
乾電池 (かんでんち) 干电池
教わる (おそわる) 受教,接收教育
素朴 (そぼく) 朴素的
回路 (かいろ) 电路,线路
誤解 (ごかい) 误解
光を当てる (ひかりをあてる) 注意到,关注
適切 (てきせつ) 合适的,适当的
豆電球 (まめでんきゅう) 小灯泡,小电珠
運行 (うんこう) 运行
応用 (おうよう) 应用
真に (しんに) 真正地
問1.( ① )に入る言葉はどれですか。
1) おもしろい2)楽だ 3)難しい 4)必要だ
問2.( ② )に入る文はどれですか。
1)本当にわかるようになるのです
2)本当にはわかっていないようです
3)本当にさわってみることが大切です
4)本当かどうか考えたほうがいい
問3.③「研究」を行うのは、どうしてですか。
1)電球の電流回路を正しく理解することが難しいから
2)子どもたちの誤解を明らかにする必要があるから
3)子どもたちのイメージが素朴で正しいから
4)電流が目で見えると
問4.( ④ )に入る言葉はどれですか。
1)理解する2)覚える 3)説明する 4)とらえる
■答案■3 2 2 2
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